M&A失敗率25%の壁。統合計画書の「最初の1ページ」が成否を分ける

皆さん、こんにちは!M&Aのシナジー効果を最大化させるPMIの専門家、中小企業診断士のはださとるです。

羽田中小企業診断士事務所では、M&A後の統合プロセス(PMI)支援を通じて「M&Aを成功に導く」ための情報発信をしています。

この記事を読んでわかること
M&Aが失敗に陥りやすい理由と統合計画書が果たす重要な役割とは

統合計画書を作る時、最初のページに必ず書いてもらうことがあります。

「このM&Aで最も大切にしたいことは何か?」という問い。これが統合の軸になり、迷った時の判断基準になります。

M&Aはなぜ25%が失敗するのか?

M&Aは、企業の未来を左右する大きな決断です。

しかし、そのプロセスは非常に複雑で、無数のタスクと予期せぬ問題に追われるうち、当初の目的を見失い、現場が迷走してしまうケースは少なくありません。

事実として、M&Aの約4分の1は、当初期待した成果を出せずに終わるという厳しいデータがあります。これは、多くの場合、たった一つの大きな失敗が原因なのではありません。PMI(M&A後の統合プロセス)の現場で、プレッシャーの中で下される日々の小さな意思決定のズレが、積み重なって大きな歪みとなるのです。

「コスト削減を優先すべきか、それとも従業員の待遇改善を優先すべきか?」 「A事業とB事業、どちらの業務プロセスに統一するのが正解なのか?」

こうした無数の問いに直面した時、明確な判断基準がなければ、組織は立ち往生してしまいます。では、この複雑なM&Aという航海を乗り切るために、私たちは何を「北極星」とすれば良いのでしょうか。

その答えは、「M&Aの目的を明確に策定すること」にあります。

はださとる

この揺るぎない目的こそが、PMIのあらゆる局面で「どちらの選択肢が、我々の目的に資するのか?」という問いに立ち返ることを可能にし、意思決定のズレを防いでくれるのです。

統合計画書の「最初の1ページ」が持つ意味

私がPMIのご支援をする際、統合計画書を作成する最初のステップとして、必ずクライアントにお願いしていることがあります。それは、計画書の最初の1ページに、たった一つの問いへの答えを、ご自身の言葉で書いてもらうことです。

その問いとは、「このM&Aは、何のために実施するのか?」

この答えは、会社によって様々です。ある会社は「従業員の雇用の安定と幸福」かもしれませんし、またある会社は「創業から続くブランドの思想を守ること」かもしれません。あるいは「両社の技術を融合させ、誰も見たことがない製品を創り出すこと」かもしれません。

はださとる

この一文か二文で表現された想いこそが、PMI全体の「統合の軸」となります。

現場で意見が対立した時、経営判断に迷った時、私たちはいつでも計画書の最初の1ページに立ち返るのです。「私たちの選択は、最も大切にしたいことから逸れていないだろうか?」と。この問いが、M&Aを成功へと導く、何より確かな道しるべとなります。

M&Aの成功は、複雑なフレームワークや難解な理論だけでは実現できません。大切なのは、自社にとってのM&Aの目的を明確にし、それをPMIで実現することです。その原点を定めることこそが、M&Aという挑戦を価値あるものにするための、最も確かな第一歩なのです。

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最後に

羽田中小企業診断士事務所では、PMI専門家がお客様のM&Aの目的に深く寄り添い、貴社と相手企業の特性に合わせて、最適なPMI支援をカスタマイズしてご提供いたします。

PMI支援に関するご相談は初回無料で承っております。また、M&Aの準備段階でも、お気軽にご相談いただけます。

羽田中小企業診断士事務所 
代表 はださとる(PMI戦略コンサルタント)

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