事業承継M&Aは「これからが本番」!数字で見る政府支援の成果と、今すぐ動くべき理由

皆さん、こんにちは!M&Aのシナジー効果を最大化させるPMI(Post Merger Integration)の専門家、中小企業診断士のはださとるです。

羽田中小企業診断士事務所では、PMI支援を通じて「M&Aを成功に導く」ための情報発信をしています。

この記事を読んでわかること
政府のM&A・事業承継支援策の成果と現状
事業承継支援が「これから本番」と言える理由

M&Aや事業承継について、政府もいろいろやっているみたいだけど、実際どうなっているんだろう?

今からM&Aを検討するのは、もう手遅れなのかな…?

そう感じている中小企業経営者の皆様は、少なくないのではないでしょうか。 これまでのコラムでもお伝えしてきた通り、日本は「大事業承継時代」の真っただ中にあり、今後10年間で28万社もの企業が、後継者不在を理由に廃業してしまう危機に直面しています。

はださとる

これは、まさに日本経済の根幹を揺るがしかねない、非常に深刻な社会課題です。

日本市場の現状

このような状況を受け、政府(中小企業庁)は、M&Aや事業承継を支援するための様々な施策を、長年にわたり実施してきました。では、それらの支援策は、果たしてどの程度の効果を上げているのでしょうか? そして、私たちはこれから、この市場にどう向き合っていくべきなのでしょうか?

今回は、政府のM&A支援策の現状と、その一定の成果をデータで確認しつつ、「事業承継M&Aは、まさにこれからが本番である」という明確なメッセージを皆さんにお伝えしたいと思います。

目次

国のM&A支援策は「点」から「線」、そして「面」の支援へ

中小企業庁は2015年以降、M&A支援策を段階的に強化し、特に2022年以降はPMI(統合プロセス)まで踏み込んだ「面」の支援へと進化させています。

まず、政府がM&A・事業承継に対して、どのような取り組み(支援)を実施してきたか見てみましょう。

中小企業庁のM&A支援に対する取り組み

中小企業庁は2015年の「事業引継ぎガイドライン」を皮切りに、2016年には「事業承継ガイドライン(改定)」、2020年には「中小M&Aガイドライン」、そして2022年には「中小PMIガイドライン」など、継続的にM&A支援策を打ち出してきました。これは、M&Aが単なる一過性のブームではなく、日本の経済構造を支えるための重要な柱として位置づけられていることの証拠です。

はださとる

特に注目すべきは、売り手企業支援であるM&Aの「成立」だけでなく、買い手企業支援として成立後のM&Aの「成功」に不可欠なプロセスへの支援を強化している点です。

2022年3月に策定された「中小PMIガイドライン」は、この流れを決定づけるものでした。これにより、M&Aの「成約」がゴールではなく、その後の「経営統合(PMI)」こそがM&A成功の鍵であるという認識が中小企業庁によって公式に示されたのです。これはPMI専門家として、大変喜ばしい変化でした。

さらに、ガイドライン策定に留まらず、2023年には「中小PMI支援実証事業」が開始され、中小企業庁がPMIガイドラインの有効性を検証し、より中小企業のためになるPMI支援と何か?という一歩踏み込んだ取り組みまで行われています。

これは、M&A支援が「情報の提供(点)」から、「成約支援(線)」、そして「成約後の統合支援(面)」へと、非常に多角的かつ実効性のあるものへと進化していることを示しています。

M&A支援は点から面へ

支援策は着実に効果を発揮!「後継者不在率」は減少傾向に

政府の長年にわたる支援策は、一定の成果を上げており、特に経営者の「後継者不在率」は各年代で着実に減少傾向にあります。

「でも、本当に効果が出ているの?」 そう疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれませんよね。

はださとる

安心してください。これらの支援策は、着実に日本の事業承継M&A市場に良い影響を与えています。

経営者の年齢割合の変化と後継者不在率の推移

引用:中小企業庁公表データ

中小企業庁のデータによると、経営者の「後継者不在率」は、全体として低下傾向にあることが示されています。具体的に年代別に見ると、以下の通りです(2023年時点)。

  • 60代経営者: 後継者不在率が38%(※2016年:55%)
  • 70代経営者: 後継者不在率が30%(※2016年:44%)
  • 80代以上経営者: 後継者不在率が23%(※2016年:35%)

どの年代においても、着実に後継者不在率が減少していることが分かります 。これは、経営者がM&Aを含む事業承継の選択肢をより積極的に検討し始めたこと、そして、それを支援する体制が整ってきたことの表れと言えるでしょう。

M&Aに関してもネガティブなイメージが払拭され、事業を次世代につなぐための前向きな選択肢として認知されてきた。これは、私たちM&A・PMIに携わる者にとっても、非常に嬉しい変化です。

しかし、これで終わりじゃない!「事業承継支援はこれからが本番」

後継者不在率は減少したものの、依然として多くの高齢経営者が後継者を見つけられていません。特に80代以上の経営者の課題は根深く、「事業承継支援はこれからが本番」です。

はださとる

確かに、上記のデータは明るい兆しを示しています。しかし、ここで「もう大丈夫だ」と安心してしまうのは早計です。

2023年時点のデータでも、60代経営者の約4割、70代経営者の約3割、そして80代以上の経営者の約2割が、未だに後継者を見つけられていないのが現実です。特に、平均年齢60.5歳と高齢化が進む中で、80代以上の経営者で後継者不在率が23%というのは、依然として非常に高い数字と言わざるを得ません。

高齢の経営者ほど、長年の慣習や固定観念が強く、M&Aに対する心理的なハードルが高い傾向があります。また、体力的な問題から、M&Aのような複雑なプロセスを進めること自体が困難になっているケースも少なくありません。これらの状況を踏まえると、まさに「事業承継支援はこれからが本番です」。今後は、より一層、潜在的なM&Aニーズを掘り起こし、個別の事情に寄り添ったきめ細やかな支援が求められていくはずです。

事業承継支援はこれからが本番

M&Aを成功させるPMI専門家としての役割

「事業承継M&Aはこれからが本番」という認識を持ち、M&Aを「成功」に導くために、PMI専門家の力を最大限に活用しましょう。

政府の長年にわたるM&A・事業承継支援策は、確かに一定の成果を上げてきました。しかし、その効果が本格的に社会全体に浸透し、すべての価値ある事業が次世代へと引き継がれるまでには、まだまだ時間がかかります。

だからこそ、今M&Aを検討している経営者の皆様に伝えたいのは、「今からM&Aを検討するのは決して手遅れではない」ということです。むしろ、これまでにないほどM&Aの選択肢が広がり、支援体制も充実してきている「チャンスの時代」が到来していると言えるでしょう。

そして、M&Aを単なる「成立」で終わらせず、その後の「成功」へと導くためには、PMIの専門家との連携が不可欠です。私たちPMI専門家は、単にM&Aをまとめるだけでなく、M&Aの目的を達成し、新しい組織でシナジー効果を最大化させるための戦略立案から実行までを伴走します。

はださとる

これまで何度も申し上げてきましたが、PMIは戦略です。
この「これからが本番」のM&A市場において、あなたの会社が次世代へと力強くバトンをつなぎ、さらなる発展を遂げるために、ぜひ私たち専門家の知見と経験を最大限にご活用ください。

PMIは戦略である

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最後に

羽田中小企業診断士事務所では、PMI専門家がお客様のM&Aの目的に深く寄り添い、貴社と相手企業の特性に合わせて、最適なPMI支援をカスタマイズしてご提供いたします。

PMI支援に関するご相談は初回無料で承っております。また、M&Aの準備段階でも、お気軽にご相談いただけます。

羽田中小企業診断士事務所 
代表 はださとる(PMI戦略コンサルタント)

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