
経営者を辞める日、最後に社員に伝えたかった「ありがとう」の一言。
皆さん、こんにちは!M&Aのシナジー効果を最大化させるPMIの専門家、中小企業診断士のはださとるです。
羽田中小企業診断士事務所では、PMI支援を通じて「M&Aを成功に導く」ための情報発信をしています。
この記事を読んでわかること
M&Aの引き継ぎ完了後、経営者が最後に果たすべき大切な役割とは
M&Aによる事業承継が完了し、買い手企業への引き継ぎを終えた後も、売り手企業の経営者には最後の、そして最も重要な仕事が残されています。 それは、これまで苦楽を共にしてきた従業員や関係者に対し、自身の退任と、新しい体制への移行を、自らの言葉で正式に伝える場を設けることです。
私たちはこれを「Day1セレモニー」と呼んでいます。これは、単なる形式的な挨拶の場ではありません。長年会社を支えてきた経営者の「品格」が問われ、そして新しい組織の未来を方向づける、極めて重要な儀式なのです。

権力や地位を手放すときこそ、人の本性が現れる
M&Aが成立し、経営のバトンを渡す日。それは、創業者や長年経営を担ってきた方にとって、万感の思いがこみ上げる瞬間でしょう。しかし、その最後の瞬間に何を語るかで、その経営者が本当に大切にしてきたものが明らかになります。
私がこれまで見てきた数多くの事業承継の現場で、最も人の心を打ち、その後のPMI(統合プロセス)を円滑にした経営者の最後の言葉は、驚くほど共通しています。
それは、事業の成功や将来の展望ではなく、「ありがとう」という、ただひたすらの感謝の言葉でした。
「成功も失敗も、すべて一人では成し得なかった」
「多くの人の支えがあってこその経営者人生でした」
自らの権力や地位を手放すその瞬間に、これまで自分を支えてくれた従業員、顧客、取引先、そして家族への感謝を、謙虚に、そして誠実に伝える。この姿勢こそが、従業員の心に深く刻まれ、「この社長についてきて良かった」という尊敬の念を抱かせるのです。

新しい経営者の最初の仕事は「敬意」を示すこと
そして、このDay1セレモニーは、新しい経営者(買い手)にとっても、リーダーシップを示す最初の重要な機会となります。
新しい経営者の役割は、旧経営者の功績に最大限の敬意を払い、従業員と共にその「卒業」を温かく送り出す場を設えることです。旧経営者が感謝を伝えやすい雰囲気を作り、従業員がその言葉をしっかりと受け止められるよう配慮する。
この姿勢は、「私たちは、この会社がこれまで築き上げてきた歴史と文化を尊重します」という、何よりも雄弁なメッセージとなります。従業員は、その姿を見て、新しいリーダーに対する信頼と安心感を抱くのです。
はださとるM&Aは、単なる事業の売買ではありません。
人が想いを込めて築き上げてきた、一つの「物語」の承継です。
その物語の最終章を、いかに美しく締めくくるか。
Day1セレモニーは、旧経営者にとっては経営者人生の集大成であり、新経営者にとっては信頼醸成の第一歩です。この大切な場の発表内容は、ぜひ専門家も交えて慎重に準備することをお勧めします。
最後まで感謝の気持ちを忘れないこと。その品格ある姿勢が、会社の未来を明るく照らす光となるのです。


最後に
羽田中小企業診断士事務所では、PMI専門家がお客様のM&Aの目的に深く寄り添い、貴社と相手企業の特性に合わせて、最適なPMI支援をカスタマイズしてご提供いたします。
PMI支援に関するご相談は初回無料で承っております。また、M&Aの準備段階でも、お気軽にご相談いただけます。
羽田中小企業診断士事務所
代表 はださとる(PMI戦略コンサルタント)
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